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そのだこどもクリニック

【診療時間】
午前 08:30-12:00
午後 14:00-15:00(予約制)
     15:00ー18:00
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水・土のみ 12:30まで

【休診日】
日曜/祝祭日/水・土曜午後

病気について

◆麻疹(はしか)について
麻疹ウイルスによる感染症で、空気感染でうつります。
感染力が強く、保育園や幼稚園では一気に流行します。麻疹の重症化や合併症で、
現在でも年間約80人の子どもが命を落としています。
小児期の感染症の中では、最もこわい病気のひとつです。

○麻疹の症状
潜伏期は8~12日で、予防接種を受けていない人が患者に接触すると、まず100%発症します。
①発熱:38~39℃の高熱が3~4日間続き、いったん下がり気味となりますが、
その後発疹の出現とともに再び高熱が3~4日間続きます。
②咳・鼻汁・目やに:熱の出始めから発疹のピークを越えるまで続きます。
③発疹:4日目ぐらいから、2~3mmの紅い発疹が顔・首に出始めます。
その後、胸や腕、お腹など全身に広がり、2~3日で発疹どうしがくっついたようになります。
熱が下がるころには、暗褐色の色素沈着を残し治っていきます。
④コプリック斑:発疹の出る1~2日前に、ほおの内側に小さな白い斑点が多数みられます。
一時的なもので、1~2日で消えてしまいます。

○麻疹の治療
①特効薬はありません。症状に応じて、せき止めや解熱剤を使用します。
②細菌の二次感染をおこしやすいので、抗生物質も服用します。
③脱水やビタミン欠乏になりやすいので、水分・栄養補給に気をつけましょう。

○登園・登校は
熱が下がって3日間経過するまでは、出席停止です。
○予防
母親からの抗体は、生後4~6か月を過ぎると徐々に減少し、8か月以降は麻疹にかかる率が高くなります。
1歳の誕生日がきたら、なるべく早く麻疹ワクチンを受けましょう。
保育園に通園している乳児は、生後9か月になったら自費でワクチンを受けることをおすすめします。

◆風疹について
風疹ウイルスの感染により起こります。
5~10歳の小児に多く、集団生活の場で流行します。不顕性感染(感染しても症状が出ない)も多く、
症状も軽いことが一般的ですが、その分確定診断が難しい病気でもあります。

○風疹の症状
潜伏期は2~3週間で、以下のような症状が出ます。
①発疹:発熱と同時に、2~3mm程度の淡い紅斑が、まず体に出現し、その後手足に広がります。
軽いかゆみを伴うこともあります。3~5日で消失します。
②発熱:38℃程度の熱が、1~2日出ます。
③リンパ節のはれ:首の両側のリンパ節がはれ、痛みを伴います。1週間程度で治ります。

○合併症
①血小板減少性紫斑病:風疹の症状が消えた後に、皮膚に点状出血や紫斑が出現します。
血小板減少が高度な場合は、入院治療が必要となりますが、約90%は治癒します。
②脳炎:治りかけの時期に、発熱、頭痛、意識障害、けいれんなどで発症することがあります。
③先天性風疹症候群:妊娠初期(4か月以内)の女性が風疹にかかると、高率に難聴、
心臓病などの障害をもった赤ちゃんが生まれます。

○診断
症状が典型的な場合や流行がある場合は診断は容易ですが、他の発疹症(溶連菌感染症など)と
区別しかねるときもあります。確定できないときは、血液の抗体検査を行うことがあります。

○治療
特別な治療はありません。発熱などの症状に応じた薬を使います。

○登園・登校
発熱と発疹がなくなれば可能です。

○予防
1歳以降なるべく早く(麻疹ワクチンの終了後)予防接種を受けましょう。

◆水ぼうそうについて
水痘・帯状疱疹ウイルスの初感染により発症します。感染力は強く、接触すれば90%は発症します。
水痘が治った後もウイルスは体内にひそんでいて、免疫力が低下したとき(発熱、ストレス、老化など)
に活性化し、帯状疱疹を起こすことがあります。

○水痘(水ぼうそう)の症状
①発疹:紅斑(赤いぶつぶつ)→丘疹(小さく盛り上がる)→水疱(水ぶくれ)→痂皮(かさぶた)という
経過をたどる発疹が、2~3日で全身に広がります.頭髪部や、粘膜(口の中、まぶたの裏、外陰部)
にもできます。
②発熱:38℃程度の発熱が、1~3日間出ることが多いです。

○合併症
①細菌感染:水疱をかきこわして、とびひになることがあります。
②髄膜炎・脳炎:発疹出現後3~10日目に突然発症し、嘔吐、頭痛、意識障害、けいれんなどの
症状が出ます。
③ライ症候群:重症の脳症で、嘔吐、錯乱、意識障害などの神経症状とともに
肝臓や腎臓の障害が急激に進行します。
死亡率が高く、助かっても 重度の後遺症が出ます。

○治療
本来は自然に治る病気なので、必ずしも薬はいりません。
①抗ウイルス薬:発症後48時間以内に抗ウイルス薬(ゾビラックス)を服用すると、
症状が比較的軽くすみます。
②解熱剤:高熱でつらいときは、使用してもかまいません。ただし、アスピリン(バファリン)は
ライ症候群との関係が指摘されているので、避けましょう。
③ぬり薬:フェノール亜鉛華軟こう(カチリ)がよく使用されます。すでにかさぶたになった部分には、
ぬる必要はありません。
とびひなどの細 菌感染を合併した場合は、抗生物質軟こうが使用されます。

○登園・登校は
発疹がすべてかさぶたになるまで(約1週間)は、出席停止です。

○予防
感染力が強く、跡が残ることもあるので、任意接種で自費ですが予防接種を受けることをお勧めします。
予防接種を受けても10%程度はかかる人がいますが、症状は非常に軽くてすみます。

◆おたふくかぜについて
ムンプスウイルスの空気感染または接触感染により引き起こされます。家族内や保育園、
幼稚園などで流行します。
潜伏期は2~3週間で、接触しても約1/3の人は不顕性感染(感染しても症状が出ない)で終わります。
年齢は、3~7歳頃が多いです。

○流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の症状
①耳下腺のはれ:耳下腺部(耳たぶ~耳の前のあごの線に沿って)がはれます。通常、片側から始まり、
1~2日のうちに両側がはれてきます。(片側しかはれない人もいます)痛みがあり、口が開けにくい、
食べ物がかみにくいなどの症状が出ます。3日目ぐらいがピークで、7~10日ではれは消失します。
②発熱:約80%で熱が出ますが、38℃以下で1~3日程度ですむことが多いです。
③唾液腺のはれ:顎下腺(あごの下)や舌下腺(あごと首の間にある)がはれることがあり、
耳下腺のはれと同じで痛みを伴います。
○合併症
①無菌性髄膜炎:耳下腺がはれだしてから3~5日目に、発熱、嘔吐、頭痛などの症状が出ます。
頻度は約5%と比較的高いです。入院治療が必要ですが、大部分は後遺症なく治ります。
②脳炎:頻度は0.2%で、2~3日目に急激に発症します。髄膜炎の症状のほかに、
意識障害やけいれんが加わります。
③精巣(睾丸)炎・卵巣炎:ほとんどは思春期以降にかかった場合にみられます。
精巣(睾丸)炎は、成人男性の20~30%に起こり、発熱、頭痛、精巣(睾丸)の
はれ・痛みが3~7日ほど続きます。
まれに睾丸の萎縮をおこし、不妊症の原因になることがあります。
卵巣炎の症状は、下腹部痛が多いようです。
④膵炎:1週間目頃に、発熱、上腹部痛、嘔吐、下痢など膵炎の症状が出ることがありますが、
1週間程度で治ります。
⑤難聴:3~7日目頃に、突然めまい、ふらつき、耳鳴りなどとともに耳が聞こえにくくなります。
難治性で、回復しません。しかし、多くは片側 だけのため、日常生活には差し支えないことが多いです。

○治療
特別な治療はありません。症状や合併症に応じて治療します。
痛みが強いときは、唾液が出やすくなるすっぱいものは避けたほうがいいでしょう。

○予防
自然に治る病気ですが、大きくなってかかるほど合併症も多くなりますので、予防接種をお勧めします。
任意接種で自費になりますが、保育園や幼稚園に入る前に受けておくほうがよいでしょう。

◆手足口病について
コクサッキーウイルス、エンテロウイルスの感染により引き起こされる病気で、
夏場を中心に、10歳以下の小児に流行します。

○手足口病の症状
潜伏期は2~7日で、一般的なかぜ症状の他に、次のような特徴があります。

①発疹:手のひら、足の裏を中心に、ひざ、ひじ、おしりに出現します。2~5mmの水疱で、
まわりが少し赤くなります。痛みやかゆみは少なく、5日程度で消えます。
②口内炎:同様の水疱が、口の中に数個できます。痛みを伴うことが多く、食欲が低下し、よだれが出ます。
③発熱:熱はないか、あっても1~2日程度の微熱が多いです。

○合併症
頻度は低いですが、以下の合併症があります。

①髄膜炎・脳炎:エンテロウイルス71型の感染のとき、発熱、嘔吐、頭痛といった症状で
発症することがあります。
②ウイルス性心筋炎:コクサッキーウイルスA16 型のときに多く、顔色が悪く
元気がないといった症状で気づかれます。

○治療
特別な治療はありません。口の中が痛くなるため、食欲不振による脱水症に注意してください。
軟らかく刺激の少ないもの(ゼリー、プリン、アイスなど)を与えるとよいでしょう。

○登園・登校
発熱、頭痛、嘔吐がなく元気があれば、発疹が残っていても登園・登校してかまいません。

◆ヘルパンギーナについて
コクサッキーウィルスの感染により生じ、夏場を中心に6歳以下の幼児に流行します。

○ヘルパンギーナの症状
①発熱:突然38~39℃の高熱が出ます。通常、3日以内でおさまります。
②口内炎:のどの奥に2~5mmの水泡が数個みられます。痛みを伴うことが多く、よだれが増えます。

○診断
臨床症状でほとんど診断できます。ただし、乳幼児でのどの奥以外にほおの内側や舌、
くちびるにも水疱ができている場合は、別の病気(ヘルペス)のことがあるので、必ず受診してください。

○治療
特別な治療はなく、5日以内で治ります。口の中が痛くなるため、軟らかいもの(ゼリー、プリン、アイスなど)
を与えましょう。水分もあまり取れず、元気がなくなるようなら輸液が必要です。

○登園・登校
熱が下がり、元気があれば登園・登校してかまいません。

◆突発性発疹について
ヒトヘルぺスウイルス6(HHV-6)による感染症で、1歳半までの間に約70%の子どもがかかります。
感染経路はよくわかってない部分もあり、子ども同士でうつることはありません。

○突発性発疹の症状
生後4か月~18か月(特に6か月~12か月)の赤ちゃんに発症します。

①発熱:突然39℃前後の高熱が出て、まる3日持続します。咳や鼻汁はほとんどなく、
熱のわりにきげんが良いのが特徴です。軽い下痢を伴うことがよくあります。
②発疹:熱が下がるころに、腹部や背部を中心に、2~3mmの紅い発疹が多数出現します。
かゆみはなく、発疹は3~4日で消失します。

○診断
発疹がでて初めて確定診断がつきます。熱が長引くときは、血液検査をすることもあります。

○合併症
①熱性けいれん:熱の出始めに、けいれんを起こすことがときどきあります。
たいていは5分以内におさまり、後遺症もありません。
②肝機能障害:一時的に肝臓の障害が出ることがありますが、自然に治ります。
③脳炎:まれに、発熱が持続し嘔吐、ふきげん、意識障害、けいれんなどで発症することがあります。

○治療
発熱のみの時期は、かぜの治療をしながら経過を見ることが一般的です。
高熱に対しては熱さましの座薬を使用することもあります。熱が下がり、発疹が出たら、薬は中止します。

○家庭でのケア
生まれて初めての高熱であることが多いので、ご家族は大変心配されます。
基本的に熱そのもので脳が障害を受けることはなく、熱が高くてもある程度きげんがよく、
水分がとれていれば大丈夫です。ただし、次のようなときは、直ちに受診してください。
・水分があまりとれず、尿の量が極端に少ない。
・うとうとして、反応が悪い。
・10分以上けいれんが続く、または24時間以内に2回以上けいれんが起こる。

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